ロシアがウクライナに宣戦布告したとき日本はどうするのか―――参戦か中立かの議論を

 ネット上でロシアの宣戦布告云々という文字が目についた。この文字をみて、ハッとした。そのとき、日本はどうするのであろうか、どうすべきであろうかと思ったからだ。

現在のウクライナ戦争には中立法規は適用されない

 もしもロシアが宣戦布告すれば、ウクライナ戦争はロシアの言う「軍事作戦」=事実上の戦争から国際法上の戦争に格上げされる。そうなれば、戦時国際法の適用範囲が格段に拡大する。事実上の戦争に対しても、「陸戦の法規慣例に関する条約」及びその付属文書である「陸戦の法規慣例に関する規則」などに規定されている戦闘関係の法規は適用される。

 だが、「陸戦の場合に於ける中立国及び中立人の権利義務に関する条約」や「海戦の場合に於ける中立国の権利義務に関する条約」などに規定されている中立法規は、原則として適用されない。だからこそ、欧米諸国だけではなく、NATOにもEUにも加盟していない日本さえもが支援金を送るなど、ウクライナ側に立った、中立法規違反の政策を堂々ととることが許されているのだ。

ロシアが宣戦布告すれば、中立国か交戦国かいずれかを選ばなければならない

 しかし、ロシアが宣戦布告すれば、否応なく、国際法上の戦争に格上げされる。となれば、欧米諸国も日本も、交戦国か中立国かいずれの立場をとるか、明確化しなければならなくなる。交戦国の立場をとれば、当然、ロシアと戦う覚悟が必要となるし、日本国内にミサイルを撃ち込まれても文句は言えなくなる。しかし、日本にはそんな覚悟などないであろう。

 対して、中立国の立場をとるならば、今までの政策を相当に改めなければならないであろう。中立国は、交戦国であるロシアとウクライナに対して公平、公正な立場をとらなければならないからである。

国際法上の戦争となれば、日本さえも中立法規違反となる

 中立法規上、中立国は、直接であれ間接であれ、一方の交戦国に対して戦争に関する援助をすることはできない。それゆえ、最低限、以下の行動が禁止される。
1 一方の交戦国の作戦行動の援助
2 交戦国に対する軍隊の供給
3 名義にかかわらず、軍艦その他軍用にできる船舶、航空機又は兵器弾薬その他の軍用材料を直接間接に供給すること
4 軍資金を供給すること……金銭貸与、信用供与、金融上の援助を含む。

*以下の記事を参照
http://skhkotohajime.blog.fc2.com/blog-entry-51.html

  アメリカとNATO諸国の一部は、すでに中立法規で禁止された4つの行為をすべて行なっていると思われるし、日本も3と4の行為を行っている。3としては、防弾チョッキを送り、更には防護マスクを送っている。4としては、1億ドルの支援表明を複数回行っている。さらには、ロシア外交官8名の国外追放まで行っている。これはやりすぎである。

 それゆえ、今回の戦争が国際法上の戦争となれば、中立法規が適用されるから、欧米諸国はこれら4つのことを中止しなければならないし、日本は3と4のことをやはり中止しなければならない。ロシア外交官の呼び戻しもしなければならないであろう。

ずるずると金銭援助や軍需物資の供与を続ければ、戦争を覚悟しなければならない

 しかし、国際法上の戦争になった時、欧米も日本も引き返せるのであろうか。端的に言えば、ウクライナを見捨てることができるのであろうか。1から4のことを取りやめることができるのであろうか。もしも中止しなければ、ロシアとの交戦を覚悟しなければならない。それも核戦争を覚悟しなければならない。

 そんな覚悟が日本にあるのか。覚悟があっても、ロシアとの戦争に耐えられる法的整備があるのか。そもそも軍隊ではない自衛隊ではまともに戦うこともできないではないか。また、圧倒的に日本には武器弾薬が足りないではないか。こういう武器弾薬の貯蔵も法的整備もないくせに、随分、思い切ったことを勝手に政府はやってくれたものである。

 いや、バイデンのアメリカだって、覚悟があるのか。ない可能性がある。覚悟がないくせに、ロシアを挑発し続けているように見える。結局、ずるずると露西亜との戦争に向かって、アメリカも欧州も日本も進んでいるわけである。そうなれば、世界が滅ぶ可能性が一挙に高くなろう。真っ先に滅ぶのが、地政学的に言って、日本となる可能性は極めて高いと言えよう。なんとも無責任な、バイデン政権であり、岸田政権である。

 こういう恐ろしい「参戦」の道に向かって、岸田政権は、広く国民的議論、国会の議論もなく、勝手に進んでいるわけである。その恐ろしさを日本国民は知っておかなければならない。いま日本が進んでいる中立法規無視の道の危険性をまずは指摘しておこう。

 しかし、金銭援助や軍需物資供与の問題、すなわち中立法規無視の問題は、それが「参戦」への道であるということだけではない。他に二点の問題がある。

一 日本が戦ってまで懲らしめるべき悪がロシアにあるのか、逆に言えば、戦ってまで守るべき正義がウクライナにあるのか
二 今のうちに、国際法上の戦争になったとき参戦か中立か、広く各党と国会で議論しておくべきではないか


 一について補足すれば、2月24日にロシアがウクライナに全面侵攻したことは国際法違反であるが、2014年以来の経過を振り返れば、圧倒的に悪いのはウクライナである。もっと悪いのは、ウクライナを属国扱い、植民地扱いし、偽革命を主導したアメリカである。戦争が始まってからも、ウクライナは民間人を「人間の盾」として戦う非人道的・戦時国際法違反の戦い方をしている。

 重要なのは、そういうことよりも、ウクライナが国民の3割が用いるロシア語禁止政策、民族浄化策をとっていること、ゼレンスキー政権がナチスの影響下、支配下にあることである。こういう国家にも、もちろん自衛戦争の権利はあるが、日本が戦って守る価値はないといえよう。特に、民族浄化策をとる国家を援護することなど、とんでもないことである。さらにいえば、ロシアは北方領土を不法占拠している国家であるが、ウクライナもまた、北朝鮮のミサイル開発に協力し、中国初の空母建艦にも協力した国家である。ともに、日本にとっては、敵性国家である。

 ともあれ、本記事で述べてきた三点の問題について、広く議論が行われることを望むものである。

 転載自由

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック